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結論
以上、我々は、よく「カルヴィン主義」とか「恩寵の教理」と呼ばれる聖書の教理について、概観した。カルヴィン主義は、作り話では決してない。カルヴィン主義とは、神の御言葉の教えがはっきりとまとめあげられた教理そのものに他ならない。
にもかかわらず、例の、いつも蒸し返される議論がある。それは、「カルヴィン主義は福音伝道の妨げになるのではないか?」という議論である。しかし、このような疑問は、キリスト教会の歴史を一瞥する時、雲散霧消してしまうのである。主の民が、この「恩寵の教理」を堅く保っていた時代・地域において、キリストの福音は、その栄光を最も輝かしくはなったのである。ウィリアム・カーレイの熱心を見よ。彼は靴屋の仕事を投げうって、キリストの福音を宣教すべくインドに渡ったのである。カーレイは強固なカルヴィン主義者であった。デヴィッド・ブレイナードの敬虔を見よ。彼はアメリカ・インディアンの中にも救いに選ばれた人々がいることを確信していたのである。彼は日記にこう書き記している。「私には二つの願いがある。一つは私自身の聖化であり、もう一つは神に選ばれた人々を呼び集めることである。」近代における最も偉大な伝道者の一人であるジョージ・ホイットフィールドも強固なカルヴィン主義者であった。しかし彼のカルヴィン主義は彼がキリストの福音を宣教する際に決して妨げにはならなかったのである。それどころか、その故に、彼は「神聖なる哀感をもって罪人達をキリストのもとに立ち返らしめた」とさえ伝えられているのである。
カルヴィン主義は聖書の福音そのものである。それはロバート・マレー・マケイン、アンドリュー・ボナー、ウィリアム・バーンズといった信仰大覚醒期の指導者や中国へ遣わされた宣教師の伝えた福音である。殉教者、宗教改革者、キリスト教会の指導者といった人々が大胆に設き、証言した福音は、「神によって選ばれた人々の群れ、すなわち、神の御自身の民の群れを、救いに至らしめる主権的絶対恩寵を、神はお与えになる」という福音なのである。この福音を証しした故に殉教した人々もいるのである。この「神の主権的絶対恩寵の教理」に生きた人々の例を、ここに述べつくすことは到底不可能である。ルター、カルヴィン、ラティマー、ノックス、バニヤン、オーウェン、グッドウィン、ヘンリー、ワッツ、エドワーズ、ニュートン、スポルジョンといった人々は、神の主権的絶対恩寵の御旗を高らかに掲げる、神の軍隊の、ほんの一部の兵士達である。彼らの神に対する奉仕の業が、彼らの信ずることのために妨げられたことが、あったであろうか。彼らは、至高の絶対主権者たる神を信じていた。彼らは「御自身の御旨によって、全ての事を相働かせて益としてくださる」王の王であられる神を礼拝し、神に仕えたのである。説教界のプリンスと言われたチャールズ・ハッドン・スポルジョンは、「神の主権的絶対恩寵の教理」について次のように述べるのである。「私が至高の神の主権と絶対恩寵の教理について説教すると唇を噛み、歯ぎしりして怒る者どもがいる。今日の神学は、神を、かろうじて認めはするものの、神が絶対主権者であり王の王であることを決して認めようとしないのである。」スポルジョンは福音の前進を妨害したであろうか?そのようなことは決してなかった。にもかかわらず、彼と彼の説く絶対恩寵の教理に対して、何と多くの者どもが、敵対して来たことであろうか。スポルジョンは言う。「我々の事を、人々は、危険な過激派(つまりハイパーカルヴィニストとして)だと非難し、やじり倒そうとする。我々の言葉に耳を傾ける教職者もいなければ、我々に好意的な発言をする教職者も殆どいない。なぜなら、我らは強固な、絶対恩寵の教理を持っているからである。すなわち、我らは、至高の神の絶対主権と御自身の絶対恩寵により、神が御自身の民を選び給うこと、そして、神は御自身の民を特別な愛をもって愛し給うことを、かたく信じているからである。」
我らは、この祝福に満ちた神の御言葉の真理を護持し、この神の主権的絶対恩寵の教理を宣べ伝えることにより、ただ神にのみ栄光を帰さねばならないのである。この短い学びを、一先ず終えるにあたって、我らは、偉大な神のしもべであり、神の教会のために大きな貢献をしたスポルジョンの言葉をもって、我ら自身に対する励ましの言葉としようではないか。「昔ながらの正統信仰の真理を、カルヴィンは説いた。この真理は、アウグスチヌスの説いた真理であった。この真理こそ、パウロが説いた真理なのである。今、この真理を私が説き宣べ伝えねばならない。そうせぬことは、私の良心が許さない。いや、それどころか、私の神が許したまわぬことである。私には、真理を作り出すことも出来なければ、真理の形を変えてしまうことも出来ない。私には、この、神の主権的絶対恩寵の教理の鋭い刃先を削り、丸めてしまうことなど、絶対に出来ない。ジョン・ノックスの説いた、神の主権的絶対恩寵の福音は、私の福音である。かつて、スコットランドに、雷鳴の如くとどろきわたった真理は、今。再びイギリス全土に、とどろきわたらねばならないのである。」
アーメン
序言
はじめに
第2特質:無条件的選び
第3特質:特定的贖い(叉は限定的贖罪)
第4特質:不可抗的恩恵(聖霊の有効的召命)
第5特質:聖徒の堅忍と保持
結論
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